上映作品 - メイド・イン・ジャパン

太陽ぬ色 / The Color of the Sun

カナダ、イタリア、日本 / 2026 / 110分
監督:ザビエル・テラ(Xavier TERA)
*No English subtitles (Japanese subtitles only)

2012年、沖縄本島。高校最後の夏を迎えたカメイは、亡き父の海洋生物学のフィールド録音を繰り返し聴き、面影を追う。母や彼女とぎくしゃくするなか、米軍基地育ちの少年コリンと出会う。カメイは沖縄方言、コリンは英語で話すが、なぜか心が通じ合い、島を出たいカメイと居場所のないコリンの思いが重なっていく。

複雑な歴史を抱える沖縄の日常と、そこで生きる若者たちの等身大の姿を捉えたザビエル・テラ監督の長編デビュー作。軍用機の爆音や基地のフェンスといった社会的な背景が重苦しい緊張感をもたらす一方で、映画は政治的主張に過度に偏ることなく、孤独や焦燥感を抱える若者たちの繊細なアイデンティティの模索に優しく寄り添っていく。名手サヨムプー・ムックディプロームによる35mmフィルムの映像は、強烈な太陽の輝きや夕闇のシルエットを温かく深みのある粒子感で捉え、言葉以上に雄弁な視線や揺らめく影によって感情の機微が表現されている。洗練された構図と繊細な色彩感覚による画面設計と、複雑な歴史的文脈を持つ土地の記憶と若者たちの瑞々しい生の記録が鮮やかに重なり、観る者に深い思索と感動をもたらす重厚な青春群像劇だ。ヴェネツィア映画祭のオリゾンティ部門でプレミア上映され、同部門において国際映画批評家連盟賞を受賞した。

監督:ザビエル・テラ(Xavier TERA)

カナダ・モントリオール生まれ。英国・カナダ・日本で育ち、現在は東京を拠点とする映像作家。ファッション写真や広告、ミュージックビデオの演出で国際的に活動し、台北が舞台の短編『Stings』(2024)がクレルモン=フェラン国際短編映画祭で上映された。コロナ禍の2020年に沖縄で長期滞在した経験を起点に構想した本作が長編監督デビュー作。フランス・英国の植民地だったカナダ、ヤマトと米国の二重の支配下にある沖縄の並行性に気づき、作品の主題へと発展させたという。