







日本 / 2026 / 138分
監督:山西竜矢(YAMANISHI Tatsuya)
配給:日活
水難事故で夫の幸助(中島歩)を失って7年。現在の恋人の優(大東駿介)と暮らすかなみ(奈緒)のもとに、「幸助の幽霊に会った」と語る青年・純(坂東龍汰)が現れる。純が幸助しか知らない事実を口にしたことで、夫の死を受け入れきれていないと気づいたかなみは、純とともに幸助が消息を絶った町へ向かう。残された過去と向き合う旅が始まる。
演劇ユニット「ピンク・リバティ」主宰であり、長編映画デビュー作『彼女来来』(2021)やドラマ『SHUT UP』(2023)で大きな支持を集める山西竜矢監督。本作は、独自の劇作的アプローチで評価を確立してきた彼が、実力派俳優・奈緒を主人公にあて書きして書き下ろしたオリジナル脚本の映画作品だ。山西らしいひねりのある脚本は健在だが、あえて展開を急がずに、登場人物の心理の機微に重きを置き、弱さや揺らぎやすい関係性を丁寧に捉えた物語に仕上がっている。山西とは『彼女来来』や舞台映像など複数の重要なプロジェクトでタッグを組んできた撮影監督・米倉伸がここでも素晴らしい仕事をしており、光や闇を繊細に捉え、ゆったりとしたリズムで微細な感情の揺れを見事に画面へと定着させている。一見何気ないシーンが、陰影のグラデーションによってじわじわと異質な心理的迷宮へと変貌していく展開は極めてスリリングだ。東京フィルメックスでの上映が本作のワールドプレミアとなる。

監督:山西竜矢(YAMANISHI Tatsuya)
1989年、香川県生まれ。俳優として活動後、演出・脚本を独学し、2016年に演劇ユニット「ピンク・リバティ」を旗揚げ。長編監督デビュー作『彼女来来』(2021)はMOOSIC LABで準グランプリ含む三冠を獲得、北米最大の日本映画祭JAPAN CUTSで新人最高賞「大林賞」も受賞。ドキュメンタリー『生まれゆく日々』(2021)、オムニバス映画『テン・ストーリーズ』(2023)を監督、『晩餐ブルース』などのドラマ脚本、森田剛主演の舞台『砂の女』の脚本・演出などジャンルを横断して活動する。