上映作品 - 特別招待作品

ヒューマン・リソース
/ Human Resource

11月22日(土)9:50 -朝日

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11月29日(土)21:05 -HTC

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タイ / 2025 / 122分 /
監督:ナワポン・タムロンラタナリット(Nawapol THAMRONGRATTANARIT)

会社で人事担当として働くフレンは、日々、数多くの若い新入社員たちの面接を担当している。彼女は彼らとの面接を通じて、それぞれの人生や考え方を間近で観察し、知ることになる。そして彼女は自分が妊娠しているのに気付くが…

企業の人事担当社員として働くフレンは自分が妊娠初期にあることを知る。彼女は職場では人事面接の担当として低賃金と長時間労働を受け入れる「使い捨て」の新卒社員を補充する役割を担っており、家庭に帰ればニュースが絶え間なく環境汚染と社会の衰退を告げるのを耳にしている。子どもにとってより良い未来を望む彼女の願いは、女性の自己決定が家庭や社会において担保されない状況と、個人を消耗品と見なす企業構造を目の当たりにしていく中で、否応もなく浸食され、彼女は急速に孤立感を深めていく……。映画は彼女が直面するこうした冷酷な現実を、異国趣味的な要素を排除したリアリズムと抑制されたトーンで冷徹に描いていく。フレームの隅々まで気を配られた映画的な豊かさと共に、私たちの生きる現代社会への鋭利な眼差しを持った作品だ。本作はベネチア映画祭のオリゾンティ部門でワールドプレミア上映された。

監督:ナワポン・タムロンラタナリット(Nawapol THAMRONGRATTANARIT)

1984年バンコク生まれ。初長編『36のシーン』(2012)で釜山映画祭ニューカレンツ賞。『マリー・イズ・ハッピー』(2012)、『あの店長』(2014)、タイのアカデミー賞8冠の『フリーランス』(2015)、『ダイ・トゥモロー』(2017)などインディペンデントと商業映画の垣根を超えて多彩な作品をコンスタントに発表。『ハッピー・オールド・イヤー』(2019)で大阪アジアン映画祭グランプリを受賞した。本作は長編第9作。

監督ステートメント

死という出来事を別にすれば、新たな命をこの世に迎えるという営みほど、私たちに人生の真の意味を問いかけてくるものはないでしょう。それは、家族、社会、経済、政治、宗教、科学といったものとの繋がりを深く考えさせるからです。ここ10年ほど、世界の多くの地域で出生率が低下していることは、この時代に生きる人々が共有する心情を映し出しています。『ヒューマン・リソース』は、二度と元には戻らない世界における現代の人間生活や変わりゆく家族のかたち、そして我々という存在そのものを深く掘り下げ、捉えようとした映画です。

上映スケジュール

11月22日(土)9:50 -

有楽町朝日ホール

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11月29日(日)21:05 -

ヒューマントラストシネマ有楽町

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