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家へ
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11月23日(日)10:25 -朝日

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11月28日(金)17:00 -HTC

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©Homegreen Films

台湾 / 2025 / 65分 /
監督:ツァイ・ミンリャン(TSAI Ming-Liang)

ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)の近作に多く出演しているアノンが、故郷であるラオスの村に帰省する様子を捉えたドキュメンタリー作品。アノンが実家で過ごす様子と共に、家屋などの多くの建造物や、現地の職人たちが仏像を彫る様子などが映像におさめられている。

劇映画の製作において、ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)は『愛情萬歳』などに象徴されるように、ネオンが輝く都市の喧騒と、そこで暮らす人々の孤独や疎外感を長きにわたり主題としてきた。ただ、劇映画の製作から離れて以降は、彼の興味は多岐に渡るようになり、本作では彼の関心は都市空間からは離れ、近年の彼のミューズであるアノンの故郷であるラオスの田舎の風景へと向けられている。映画はアノンが故郷の農村へ帰郷する旅を追う。とはいえ、主演のアノンは冒頭と終盤にわずかに登場するのみで、カメラは高床式の粗末な家屋、水田、そしてボードで覆われた農家といった建造物や、現地の職人が仏像を彫る姿などをフィックスの撮影で丹念に記録していく。そして静的な画面の中で、交通音や風の音といった環境音だけが、鑑賞者の感覚を研ぎ澄ませていく。私たち観客の心にある固定的な「家」の概念を静かに解体していく、瞑想的な旅の記録だ。本作はベネチア映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門でワールドプレミア上映された。

photo by Claude Wang

監督:ツァイ・ミンリャン(TSAI Ming-Liang)

蔡明亮。1957年マレーシア生まれ。初長編『青春神話』(1992)で東京国際映画祭ヤングシネマ部門ブロンズ賞。『愛情萬歳』(1994)でベネチア金獅子賞、『河』(1997)でベルリン審査員特別賞、『Hole-洞』(1998)でカンヌ国際批評家連盟賞に選ばれるなど、世界の映画祭で受賞を重ねる。ベネチア審査員大賞の第10作『郊遊 ピクニック』(2013)以降は劇映画を離れ、「ウォーカー(行者)」シリーズなどの実験的短編やドキュメンタリー、アート作品に取り組む。

監督ステートメント

もうずいぶん長いこと、脚本を書いていません。でも、映画作りをやめたわけではありません。『日子』、『あなたの顔』、『その夜』はどれも脚本なしで撮った作品です。明らかに私は、映画業界のさまざまな束縛から脱却し、 より自由で、自分らしい映画作りに向かっています。私はこれをハンドクラフトシネマ(手工電影)と呼んでいます。

『家へ』は、キヤノンの小型ビデオカメラとライカのカメラで撮影しました。撮ったのは私とアノン、そして彼の友人のひとり。ラオスの田舎で2週間以上かけて撮影しました。編集は台北の共同制作者である張鍾元が担当しました。この映画を作り上げたことに心から興奮しています。

上映スケジュール

11月23日(日)10:25 -

有楽町朝日ホール

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11月28日(金)17:00 -

ヒューマントラストシネマ有楽町

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