上映作品 - コンペティション

ラッキー・ルー(仮)
/ Lucky Lu

11月23日(日)18:35 -朝日

ゲスト

ロイド・リー・チョイ(監督)

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11月30日(日)21:10 -HTC

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カナダ、アメリカ / 2025 / 103分 /
監督:ロイド・リー・チョイ(Lloyd Lee CHOI)
配給:リアリーライクフィルムズ / パルミラムーン

主人公は台湾の名優チャン・チェン演じる中国人配達員のルー。彼は長年離れて暮らしていた妻と娘と共に新生活を送るためアパートの契約金を稼いでいたが、生活の手段である電動自転車を盗まれてしまう。ルーは家族と再び一緒に暮らすという希望を胸に、失った自転車と契約金を懸命に取り戻そうとする。

ニューヨークで働く配達員のルー・ジャチェン。夢だった故郷から妻と娘を呼び寄せるその日に故郷から妻と娘が到着するのを目前に、彼は電動自転車の盗難と家賃の持ち逃げに直面し、希望とは裏腹の厳しい現実の中で奔走する。ニューヨークを拠点に活動する韓国系カナダ人であるロイド・リー・チョイ監督が、自身の短編『Same Old』を長編化した本作では、ストリートレベルの中国人コミュニティが美化されることなくリアルに描かれており、登場する人々は皆、金銭的な問題や倫理的な欠陥を抱えながらそこに存在している。カメラはチャイナタウンの薄暗い路地をルーとともに揺れ動き、陰鬱な色調が、都市の冷たさとそこに住む人々の疲れ切った感情を反映する。主演を務めるチャン・チェンの繊細な演技が光っており、彼が体現する地に足の着いたリアリズムと、娘の視点を通したマジック・リアリズムの境界線が交錯する瞬間は、観客に忘れがたい印象を残すだろう。本作はカンヌ映画祭の監督週間でワールドプレミア上映された。

監督:ロイド・リー・チョイ(Lloyd Lee CHOI)

ロイド・リー・チョイ(Lloyd Lee Choi)は、ブルックリンを拠点とする韓国系カナダ人の映画監督。彼の短編映画『Same Old』は第 75 回カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、世界 100 以上の映画祭で上映された。続く作品『Closing Dynasty』は、第73 回ベルリン国際映画祭でクリスタル・ベア賞を受賞し、SXSW では観客賞を獲得した。彼は長編脚本『Yakult Ajumma』でサンダンス NHK 賞と TIFF/CBC 脚本賞を受賞している。

監督ステートメント

『ラッキー・ルー』を着想したのはコロナ禍が最初のピークを迎え、誰もがつらい思いをした時期でした。ニューヨーカーである僕や他の何百万人もの人々が生き延びられたのは、命を支える医療者だけでなく、アパートに閉じ込められた我々に日々の食事を届けてくれたエッセンシャルワーカーのおかげでした。

ニューヨークで暮らしていると、フードデリバリーの配達員を至るところで見かけます。昼夜を問わず、分厚い上着に年季の入ったヘルメット姿の名前も顔もわからない男たちが電動自転車で疾走するのを目にします。ニューヨークのサウンドスケープに溶け込んだ彼らの姿は、ここ数年でイエローキャブと同じくらいこの街を象徴するイメージになりました。配達員の多くは移民で、何十件もの注文を即座にさばき、寒さや雨風のなか長時間労働をこなしています。

そんな彼らと僕らの接点は、ほんの一瞬の取引のようなもの。ドアを開け、食事を受け渡す、そのわずかな時間に、彼らは私たちの生活を垣間見る。しかし、見過ごされがちな彼らも、僕らのコミュニティーの一員として生きており、僕らと同様によりよい未来への夢や希望を抱いているのです。

『LUCKY LU』で僕が探求したかったのは、そんな世界でした。僕らの目の前や家のそばに、ほとんど見えない過酷な世界が存在する……なのに、誰もそれに気づくことがない。こうした日々の厳しい労働、目に見えない闘いが、僕の心を引き付けました。次に玄関を開けるとき、あるいは通りを歩くとき、電動自転車で通り過ぎた男がLUだと想像してみてください。彼は「エッセンシャル・ワーカー」であり、ごく平凡な男であり、欠点もあるひとりの人間、ただ愛する人のために懸命に生きているだけなのです。

上映スケジュール

11月23日(日)18:35 -

有楽町朝日ホール

ゲスト

ロイド・リー・チョイ(監督)

チケット購入

11月30日(日)21:10 -

ヒューマントラストシネマ有楽町

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