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『反則王』 ティーチイン |
韓国で大ヒットを記録した注目の1本とあって、レイトショーにあたる時間帯での上映にもかかわらず場内は満員。落ちこぼれ銀行マンがプロレスラー修行にやる気を見出し、すったもんだの珍騒動を繰り広げる姿が、これでもかと観客の爆笑&失笑を誘った。 盛大な拍手に迎えられてティーチインに参加したのは、キム・ジウン監督と主演俳優のソン・ガンホ。絶妙な間合いのコミカル演出を披露したジウン監督は、「後になってみれば、もっとうまく描けたと思うシーンもある。出来損ないの子供も可愛い親の心境かな」などと謙遜したが、「主人公が安易に、会社の上司に復讐するような展開は無意味だと思い、ご覧のようにオチを変更した」と述べると、観客の大きな拍手を浴びた。一方、不器用な性格だが並々ならぬガッツを持つ主人公を、アザだらけになったであろうハードなプロレス・シーンをこなして熱演したガンホは、「普段あまり運動をしていないので、撮影前に体を鍛えることに苦労した。2ヶ月のトレーニングでレスラーらしいテクニックを身につけるのは難しい」と役作りの裏話を披露。映画に関する感性がお互いに近い、と口を揃えるふたりは、今後も新世代の韓国映画界の中心的存在としての活躍が期待される。 監督プロフィール:1962年ソウルに生まれる。ソウル美術大学を卒業後、劇作家としてデビュー。その後、『クワイエット・ファミリー』(1997)で映画監督としてデビューした。この作品はポルトガルファンタスティック映画祭で受賞したほか、ベルリン国際映画祭、シッチェス映画祭、ブリュッセルファンタスティック映画祭などに招待された。 |